Case

富士通株式会社

個体物性の解析

株式会社QunaSysと富士通株式会社の共同研究グループは、量子コンピュータを使って大規模な電子系の「グリーン関数」を効率的に計算する新しい方法を開発しました。 この手法は、物質の電気的・熱的な性質を予測するのに役立ちます。

​従来の方法では、大規模な電子系の計算は困難でしたが、今回の方法では、小規模な電子系での最適化結果を利用して、大規模な系の計算を効率化しています。​これにより、現在の量子コンピュータや、将来の小規模な誤り耐性量子コンピュータでも計算が実行可能となり、材料の性質解析や新素材の開発など、幅広い応用が期待されています。

Category : 共同研究

2023/08/04

株式会社豊田中央研究所

量子ダイナミクスシミュレーション

量子ダイナミクスシミュレーションは、原子核の量子効果及び電子と原子核の運動のカップリングである非断熱効果を考慮することができ、自然現象をより正確に記述できる手法です。

本共同研究では、量子コンピュータ上での量子ダイナミクスシミュレーション実現のためのアルゴリズム開発に取り組んでいます。 将来的に量子コンピュータ実機の規模と精度が十分向上した際には、本共同研究で開発するアルゴリズムを用い、これまで取り入れることが困難であった非断熱効果を顕に扱った機能性材料の設計を行うことが可能となります。これにより、光機能材料や触媒設計等の領域での材料設計のありかたを大きく変革していくことが期待されます。

Category : 共同研究
ENEOS株式会社

分子の振動数解析

分子の振動数解析は、化学物質解析における重要な手法の一つです。振動数解析を行って得られる分子振動スペクトルは、分子の「指紋」のようなものであり、分子の構造決定や化学反応機構の解析等に広く用いられています。特にエネルギー分野では、石油精製や水素製造プロセスにおける触媒反応解析、潤滑油表面における添加剤等の反応解析などにおいて、振動数解析が重要な位置づけを占めています。

一方で、振動数解析は古典コンピュータでは難しく産業応用が進んでいないという課題がありました。これに対し、ENEOSグループとQunaSysは、量子コンピュータ上で振動数解析を行うための量子アルゴリズムの開発に取り組み、その有効性をHoneywell実機上で実証致しました。

マイクロソフトの記事(英語) | (機械翻訳)

Category : 共同研究
JSR株式会社

量子化学計算のための基礎手法

本共同研究では、実用的なサイズと精度の量子コンピュータが数年以内に実現することを見越して、量子コンピュータを量子化学計算・材料開発に活かすための、基礎手法の開発を行っています。 これまでに、量子化学計算を効率化するアルゴリズム(軌道最適化ユニタリー結合クラスター法)※1や、周期系エネルギー計算のためのアルゴリズム※2を開発し、学術誌にて発表を行っています。


※1: Physical. Review Research 2, 033421 (2020)
※2: arXiv:2008.09492

Category : 共同研究